第一話 あらたな食文化の創造めざして [フラノ・マルシェ物語 第一部 第五章]
地域資源全国展開プロジェクト(第一弾 フラノ・スイーツの巻)
今全国で、地元の地域資源を活かしたまちづくりが盛んに行われている。
中でももっともポピュラーなのが、地元食材を活かした食文化や加工食品の開発、いわゆる「地産地消」の動きで、地元で取れる食材に手を加え、地元での消費を活発化する、あるいは地域特産品として全国に売り出そうとする試みが各地で進められている。
日本の場合、全国どこでも特産物と言える一次産品(農畜産物・海産物)が存在する。そうした地域の食材資源を今一度掘り起こし、これを素材のままではなく、手を加え、付加価値を付けて商品化する。すなわち古くて新しい「名物づくり」というのがこのムーブメントのねらいなのである。
かつては「名物に旨いものなし」などと揶揄された時代もあったが、情報化によって加工技術も著しく進歩し、味、見栄え、どれをとっても看板に偽りのない「本物の名物」が全国いたるところで誕生している。
我が町にもいくつかの「名物」がある。
ワイン、チーズ、ジャム、ソーセージ、牛乳、雪解けチーズケーキ、牛乳プリンなどがそれだが、「ニセコのあげいも」「長万部のカニめし」「函館のイカめし」のように、ご当地ならではの観光名物という点から言うと少々パンチ力不足の感は否めない。
逆に言えば富良野の場合、選択肢があまりに多すぎるために、かえってイメージが分散し、「これぞ富良野」という突出した商品を生み出しにくい状況を作っているのかもしれない。
何度も言うようだが、富良野の野菜のブランドイメージは高い。インターネットで行った地域ブランドイメージ調査の「野菜の購買意欲」という項目では、あの京都を抜いて堂々第一であった。
では富良野が「野菜」のイメージを活かしたまちづくりを行って来たかといえば、答えはノー。
現況富良野では地元野菜を買いたいと思っても、どこで買っていいのかさえわからない。
飲食店で地元野菜を活かしたメニューづくりが出来ているかと言えばこれまたノーだ。
「フラノコロッケ」「フラノフライドポテト」くらいは作ろうよ。なんたって野菜のブランドイメージ第一のまちである。富良野に来た人はきっとみんな食べたいと思っているに違いないのだ。
それから今流行のスイーツ。
これも富良野のレベルはけっして低くない。
「フラノデリスの牛乳プリン」は日経のお取り寄せプリン部門で堂々全国第一位。
「新谷のゆきどけチーズケーキ」「フラノデリスのチーズケーキ」もチーズケーキ部門で2社並んでベストテン入りだ。
来年はあの「六花亭」も富良野に進出してくるという。
「スイーツのまち富良野」という新たな地域イメージが付加されることになる。
野菜のブランドイメージを生かした富良野ならではの「野菜のスイーツ」も開発すべきだ。
コアメンバーでのこんな議論の中から、「フラノマルシェ」のオープンを目指して、「地元野菜のスイーツづくり」と「テイクアウトの名物作り」を進めようということになった。
幸い商工会議所を通してエントリーしていた、「地域資源全国展開プロジェクト」も、会議所のK君(いづれまちづくり会社に出向することになるであろう有為な人材)の尽力で無事採択され、100%補助というありがたい資金調達も可能となった。
まずは「野菜スイーツ」から始めよう。
われわれは、年明け早々、銀座の「どさんこプラザ」で試食モニター調査を行うべく、地元の菓子店に公募をかけ、商工会議所を通して本事業への参加を募ることにした。
公募後数週間経った日の説明会当日、集合時間はとっくに過ぎているというのに、待てど暮らせど誰一人顔を見せない。
クリスマス近い繁忙期というハンディは確かにあったのだが、まさか一社も来ないとは・・・・。
われわれの思いは明らかに空回りしている、そう痛切に感じた。
自分たちがよかれと思ってやっていることも、相手の立場に立てば、われわれにはわからない個々の事情もあるのであろう。
はじめから一社一社出向き、膝詰めで話し合いして行く必要性があったのだ。
「おいしい話なのだから、みんなきっと協力してくれるはず」と勝手に思いこんでいたわれわれの考えが甘かった。
この失敗を契機に、われわれは地元菓子店に自ら足を運び、一社一社くどいてまわる作戦に変更することにした。
日商への報告書は2月一杯に上げなければならない。逆算すると試作品の試食会は正月早々に実施しなければならない。
急ぎ協議して行く中で、フラノデリス、ルシュマン、プチフルールの協力が得られることになった。
富良野でも人気の三店だ。
フラノデリスは、今や全国的知名度を誇る大人気のスイーツ店。
田舎のお菓子屋さんとしては破格の売上高を誇る。人気は何と言ってもハーフボトルの牛乳瓶に入った「牛乳プリン」だ。通販で売上億を超えるという化け物商品なのである。
この店が提供してくれることになったのは、「にんじんタルト」「じゃがいもタルト」「たまねぎパイ」「ほうれん草パイ」の4品。
ルシュマンは、富良野には珍しいフランス料理のレストランだが、ここで出している「かぼちゃプリン」が大人気。しかしスイーツの店としての認知度は高くないので、これはこのまま提供してもらうことにした。
プチ・フルールは地元の食材にこだわったスイーツ店として知られる。
ここの店には「カレー番長(カレー入りスイーツ)」と「かぼちゃスフレ」の提供を依頼。
都合三店7品目の商品をひっさげ、目指すは銀座「どさんこプラザ」ということに相成った。
明けて2009年1月6日。
正月ボケも抜けきらない中、我々はJR有楽町駅にほど近い「どさんこプラザ」の店内に立っていた。
富良野の食材を生かした「フラノ・スイーツ」で、鼻息も荒くお江戸に殴り込みをかけようというのである。参加メンバーはN本、Y社長、O玉といういつものまちあわトリオと、商工会議所のK川田君、まちづくり会社のK下君、それにコムズワークのT野さん。
スイーツの販売がカレー臭漂うオヤジばかりじゃ絵にならんということもあり、前日立ち寄った銀座のなじみのクラブ(スナック?)「レフティ」のママに頼んで、きれいどころ2名(マネージャー・さきちゃん)にも販売員としてお手伝いいただくことにした。
(え?なんで銀座になじみのクラブがあるのっかって?
あはは。驚いたでしょう?
いやあ、こうなるまではずいぶん金も使ったよなあ・・・・・
って、あはは、うそうそ。
実はここのママ(みね子ママ)は富良野の出身で、わたしの幼馴染(実は同級生・・・って、あはは言っちゃった)。
銀座のクラブと言っても、目の玉が飛び出るような超高級クラブではなく、とてもアットホームでリーズナブルな料金のお店なのでどうかご心配なく(誰も心配してないってか))
閑話休題
この日のためにとコムズワークが用意したのはポスター、チラシのほか、販売員用のエプロン。
これがなかなかの出来栄えで、女性陣はそのかわいらしさにますます磨きがかかる。(制服ふぇちとしてはたまらんのだ←オヤジ)。
スーツ姿のむさいおじさんたちも、それなりに絵になるから不思議だ。
何事も形から入る小生としては、満足度も非常に高く、準備にも思わず力が入る。
そして迎えた午前10時。
開店と同時になだれ込む老若男女。お目当てはもちろん「フラノ・スイーツ」だ。
入ってくるお客の8割~9割がわれわれのコーナー目指して来る。
おかげで、定番商品は商売あがったりの状況。
しょうがないよね。なんたってスイーツまるまる一個がタダで食べられちゃうんだもの。
今をときめく「フラノブランドスイーツ」、急きょ調達した「銀座のきれいどころエプロン販売員」、おまけにそれが「タダ」とくれば、これぞスイーツ最強3点セット。
人々が群がらないわけがない。
そんなわけで、用意した360食は、あっというまに品切れ満員御礼。
午後2時までの予定が12時を回る頃には終了という大人気ぶりであった。
アンケート調査の結果(抜粋)
Q・富良野に行ったことはありますか?A.はい46.4%
Q・富良野へ観光に行ってみたいと思いますか? A.はい95.2%
Q・富良野のお菓子を食べたことがありますか? A.はい29・6%
Q・フラノ・スイーツを食べた感想はいかがでしたか? A.大変気に入った37.8% まあまあ気に入った38.8%
Q・富良野旅行のポイントは? A.自然景観29・6% 食事26.7% お土産18.1%
Q・「フラノ・マルシェ」に行ってみたいと思いますか? A.その施設を目的にぜひ富良野に行ってみたい28.7% 他の観光施設に行ったついでに寄ってみたい46・4%
Q・「フラノ・マルシェ」というまちなか拠点についてどう思いますか?
A.大変いいことだと思う65.1% まあまあいいことだと思う22.4%
今全国で、地元の地域資源を活かしたまちづくりが盛んに行われている。
中でももっともポピュラーなのが、地元食材を活かした食文化や加工食品の開発、いわゆる「地産地消」の動きで、地元で取れる食材に手を加え、地元での消費を活発化する、あるいは地域特産品として全国に売り出そうとする試みが各地で進められている。
日本の場合、全国どこでも特産物と言える一次産品(農畜産物・海産物)が存在する。そうした地域の食材資源を今一度掘り起こし、これを素材のままではなく、手を加え、付加価値を付けて商品化する。すなわち古くて新しい「名物づくり」というのがこのムーブメントのねらいなのである。
かつては「名物に旨いものなし」などと揶揄された時代もあったが、情報化によって加工技術も著しく進歩し、味、見栄え、どれをとっても看板に偽りのない「本物の名物」が全国いたるところで誕生している。
我が町にもいくつかの「名物」がある。
ワイン、チーズ、ジャム、ソーセージ、牛乳、雪解けチーズケーキ、牛乳プリンなどがそれだが、「ニセコのあげいも」「長万部のカニめし」「函館のイカめし」のように、ご当地ならではの観光名物という点から言うと少々パンチ力不足の感は否めない。
逆に言えば富良野の場合、選択肢があまりに多すぎるために、かえってイメージが分散し、「これぞ富良野」という突出した商品を生み出しにくい状況を作っているのかもしれない。
何度も言うようだが、富良野の野菜のブランドイメージは高い。インターネットで行った地域ブランドイメージ調査の「野菜の購買意欲」という項目では、あの京都を抜いて堂々第一であった。
では富良野が「野菜」のイメージを活かしたまちづくりを行って来たかといえば、答えはノー。
現況富良野では地元野菜を買いたいと思っても、どこで買っていいのかさえわからない。
飲食店で地元野菜を活かしたメニューづくりが出来ているかと言えばこれまたノーだ。
「フラノコロッケ」「フラノフライドポテト」くらいは作ろうよ。なんたって野菜のブランドイメージ第一のまちである。富良野に来た人はきっとみんな食べたいと思っているに違いないのだ。
それから今流行のスイーツ。
これも富良野のレベルはけっして低くない。
「フラノデリスの牛乳プリン」は日経のお取り寄せプリン部門で堂々全国第一位。
「新谷のゆきどけチーズケーキ」「フラノデリスのチーズケーキ」もチーズケーキ部門で2社並んでベストテン入りだ。
来年はあの「六花亭」も富良野に進出してくるという。
「スイーツのまち富良野」という新たな地域イメージが付加されることになる。
野菜のブランドイメージを生かした富良野ならではの「野菜のスイーツ」も開発すべきだ。
コアメンバーでのこんな議論の中から、「フラノマルシェ」のオープンを目指して、「地元野菜のスイーツづくり」と「テイクアウトの名物作り」を進めようということになった。
幸い商工会議所を通してエントリーしていた、「地域資源全国展開プロジェクト」も、会議所のK君(いづれまちづくり会社に出向することになるであろう有為な人材)の尽力で無事採択され、100%補助というありがたい資金調達も可能となった。
まずは「野菜スイーツ」から始めよう。
われわれは、年明け早々、銀座の「どさんこプラザ」で試食モニター調査を行うべく、地元の菓子店に公募をかけ、商工会議所を通して本事業への参加を募ることにした。
公募後数週間経った日の説明会当日、集合時間はとっくに過ぎているというのに、待てど暮らせど誰一人顔を見せない。
クリスマス近い繁忙期というハンディは確かにあったのだが、まさか一社も来ないとは・・・・。
われわれの思いは明らかに空回りしている、そう痛切に感じた。
自分たちがよかれと思ってやっていることも、相手の立場に立てば、われわれにはわからない個々の事情もあるのであろう。
はじめから一社一社出向き、膝詰めで話し合いして行く必要性があったのだ。
「おいしい話なのだから、みんなきっと協力してくれるはず」と勝手に思いこんでいたわれわれの考えが甘かった。
この失敗を契機に、われわれは地元菓子店に自ら足を運び、一社一社くどいてまわる作戦に変更することにした。
日商への報告書は2月一杯に上げなければならない。逆算すると試作品の試食会は正月早々に実施しなければならない。
急ぎ協議して行く中で、フラノデリス、ルシュマン、プチフルールの協力が得られることになった。
富良野でも人気の三店だ。
フラノデリスは、今や全国的知名度を誇る大人気のスイーツ店。
田舎のお菓子屋さんとしては破格の売上高を誇る。人気は何と言ってもハーフボトルの牛乳瓶に入った「牛乳プリン」だ。通販で売上億を超えるという化け物商品なのである。
この店が提供してくれることになったのは、「にんじんタルト」「じゃがいもタルト」「たまねぎパイ」「ほうれん草パイ」の4品。
ルシュマンは、富良野には珍しいフランス料理のレストランだが、ここで出している「かぼちゃプリン」が大人気。しかしスイーツの店としての認知度は高くないので、これはこのまま提供してもらうことにした。
プチ・フルールは地元の食材にこだわったスイーツ店として知られる。
ここの店には「カレー番長(カレー入りスイーツ)」と「かぼちゃスフレ」の提供を依頼。
都合三店7品目の商品をひっさげ、目指すは銀座「どさんこプラザ」ということに相成った。
明けて2009年1月6日。
正月ボケも抜けきらない中、我々はJR有楽町駅にほど近い「どさんこプラザ」の店内に立っていた。
富良野の食材を生かした「フラノ・スイーツ」で、鼻息も荒くお江戸に殴り込みをかけようというのである。参加メンバーはN本、Y社長、O玉といういつものまちあわトリオと、商工会議所のK川田君、まちづくり会社のK下君、それにコムズワークのT野さん。
スイーツの販売がカレー臭漂うオヤジばかりじゃ絵にならんということもあり、前日立ち寄った銀座のなじみのクラブ(スナック?)「レフティ」のママに頼んで、きれいどころ2名(マネージャー・さきちゃん)にも販売員としてお手伝いいただくことにした。
(え?なんで銀座になじみのクラブがあるのっかって?
あはは。驚いたでしょう?
いやあ、こうなるまではずいぶん金も使ったよなあ・・・・・
って、あはは、うそうそ。
実はここのママ(みね子ママ)は富良野の出身で、わたしの幼馴染(実は同級生・・・って、あはは言っちゃった)。
銀座のクラブと言っても、目の玉が飛び出るような超高級クラブではなく、とてもアットホームでリーズナブルな料金のお店なのでどうかご心配なく(誰も心配してないってか))
閑話休題
この日のためにとコムズワークが用意したのはポスター、チラシのほか、販売員用のエプロン。
これがなかなかの出来栄えで、女性陣はそのかわいらしさにますます磨きがかかる。(制服ふぇちとしてはたまらんのだ←オヤジ)。
スーツ姿のむさいおじさんたちも、それなりに絵になるから不思議だ。
何事も形から入る小生としては、満足度も非常に高く、準備にも思わず力が入る。

そして迎えた午前10時。
開店と同時になだれ込む老若男女。お目当てはもちろん「フラノ・スイーツ」だ。
入ってくるお客の8割~9割がわれわれのコーナー目指して来る。
おかげで、定番商品は商売あがったりの状況。
しょうがないよね。なんたってスイーツまるまる一個がタダで食べられちゃうんだもの。
今をときめく「フラノブランドスイーツ」、急きょ調達した「銀座のきれいどころエプロン販売員」、おまけにそれが「タダ」とくれば、これぞスイーツ最強3点セット。
人々が群がらないわけがない。
そんなわけで、用意した360食は、あっというまに品切れ満員御礼。
午後2時までの予定が12時を回る頃には終了という大人気ぶりであった。

アンケート調査の結果(抜粋)
Q・富良野に行ったことはありますか?A.はい46.4%
Q・富良野へ観光に行ってみたいと思いますか? A.はい95.2%
Q・富良野のお菓子を食べたことがありますか? A.はい29・6%
Q・フラノ・スイーツを食べた感想はいかがでしたか? A.大変気に入った37.8% まあまあ気に入った38.8%
Q・富良野旅行のポイントは? A.自然景観29・6% 食事26.7% お土産18.1%
Q・「フラノ・マルシェ」に行ってみたいと思いますか? A.その施設を目的にぜひ富良野に行ってみたい28.7% 他の観光施設に行ったついでに寄ってみたい46・4%
Q・「フラノ・マルシェ」というまちなか拠点についてどう思いますか?
A.大変いいことだと思う65.1% まあまあいいことだと思う22.4%
2009-05-25 09:58
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